本を読んでもすぐに内容を忘れてしまうので、読書感想文を書きます。
とはいえ、エッセンスは下記動画にまとまっている。いい時代だ…
タイトルに反して成長株(グロース)投資というよりはモメンタム投資を説明している本。
投資のタイミングとしては
"上昇トレンドが明確で、踊り場で出来高が下がり、出来高を伴って上向きにブレイクアウトしている"という理解。
ただ、トレンドだけではなくファンダメンタルにも気を配れと書いている。
重要な要素は
・増収増益、特に重要なのは増益
・売上高営業利益率が上昇し増収以上に増益するのが理想
・一時的な利益や損失を除いた、本質的な増収増益傾向で判断する
・四半期ごと(多少平均をとって均すのはOK)の売上・利益成長率が低下してきたら売りセンサー発動
・増収増益傾向が続いている以上PERは気にしなくてよい。
売りに関しては上述のファンダ面以外に、チャート面での判断基準も書いているが、後述のリスク管理さえしっかりしていれば、まぁ別にいいのかな…という気もしている。
具体的な手法は動画含め以上がエッセンスだと理解。
以下は考え方の面で非常に参考になった部分。
・時間に関する考え方
目標は最安値で買うことではなく、買った株を、最短期間で自分の買値を大幅に超える株価で売ることだ。それが並外れたパフォーマンスを達成する方法である。
ある会社があなたのファンダメンタルの基準すべてを満たしても、必ずしも大急ぎで買うべき理由にはならない。
(中略)
株で大きな利益をものにするカギは、市場全般の環境が望ましい時期に、支えになるファンダメンタルズと健全な値動きがそろう時を見計らうことだ。
(中略)
良い会社が必ずしも良い銘柄というわけではない、この両者を区別できるようになることが重要である。
この時間に関する考え方があるこそ、バリューではなくモメンタム投資なのだと、そう主張している。いつ上がるかわからない株ではなく、上がり始めた株を買え。ということ。
・機関投資家に追随せよ
買い集めの兆候は、株価の突出高に現れる。突出高はたいてい、ベース内やベースの右側での調整で、安値を付けた後に起きる。その時に出来高も急増すれば、その値動きは信頼できる。圧倒的な出来高を伴う急騰は、機関投資家の買いを示すことが多い。そして、それこそがまさに探しているものなのだ。
結局は力強い上昇を作るのは機関投資家の買いなので、それに乗ることが重要との理論。これも最短時間での上昇を取るという思想に基づいていると思う。
・リスクに関する考え方
買った銘柄が買値以下に下げたら、少なくともタイミングという点では間違っていると告げているのだ。
株式投資の手法に関係なく、大きな損失からポートフォリオを守る方法はひとつしかない。それは損失が小さくて、雪だるま式に増える前に切ることだ。
ポーカーでも株式市場でも確実性に賭けているのではなく、確率にかけているのだ。それは常に正しくあることはできないという意味だ。長期で見て、負けトレードでの損失よりも勝ちトレードでの利益のほうが大きくなるようにすれば、それだけで成功できる。
(損切に関して一通り説明した後)
もちろん、株価が下がったので売ると、すぐに回復したという経験は、これから何回も経験するだろう。それが、どうしたというのだ!損切のストップは大きな下げや、もっと悪い大損害から身を守るためにある。
株における損切は、株という投資ゲームをやるうえでの寺銭のようなものと説明している。
売り時に関する具体的な手法も説明があったか、個人的には著者が主張するリスク管理をしていれば自ずと売り時は現れると考えている。
他の本では「買いのシナリオが崩れていないならば、下がっても食らいついていくべき」という説もあり、損切・ナンピンの絶対的な正解はないと思うが、少なくともトレンドフォローのモメンタム投資においては、大幅な下げというのはそもそも買いのシナリオが崩れていることもあり、やはり損切を考えるべきなのだと思う。