オープンドア反省会の一環で、モメンタム投資の概要を改めて理解すべく、Dukeさんの新高値ブレイク投資法という本を読みました。
まずは本題のモメンタム投資に関する話題から。
注目すべきはファンダメンタルズです。その会社がどういった事業を行っているのか、どのようにして利益を上げているのか、利益の源泉はなんなのかを、自分自身で理解できることがキーポイントとなります。
著者は新高値をつけた株を買うといいと話していますが、新高値銘柄なんていくらでもあるわけで、それを見分ける手段としてはファンダをみて判定しろと言っています。
成長株投資では、「持続的な高成長」ができる会社に投資します。少なくとも毎年20%以上の利益成長をする会社に投資したいものです。
ファンダを見て、足元の経常利益・利益率・売上高の成長を見て、そしてその成長が続くと判断できる株を買えと。
また、「新高値をつける株はそれだけの理由があるはず」だから、その理由(ビッグチェンジ)を分析し、業績に与えるインパクトを考えろ、とも言っています。
売買のノウハウ的な部分では、著者ばボックスという思想をかなり重視しおり、ボックスを上抜けたら買い、下抜けたら売りを原則としています。ボックスの定義にかんしては明確な説明はありません。自分で判断する必要があると。チャートを見て感覚で判断しろと言ことでしょうか。例えば上の図で第三、第四ボックス圏は自分で判断できる気がしません(単なる上昇と判断してしまいそう)。また、あとからチャートを見直してボックスと判断するのは比較的簡単だと思いますが、実際にその場にいてそういう判断ができるのか?というのも疑問に思うところではあります。例えば第二ボックス圏で一度頭を付けて下がっていますが、一瞬下げどまった時点で「これはボックスで、ボックスの底値がここだ」とはなかなか判断できないでしょう。一瞬下げ止まった後このまま下がる可能性もあったわけで、そうした場合、ボックスの下値の線はどう置けばいいのでしょうか?
いろいろコメントはしましたが、概念としては大変参考になる考え方でした。
著者が伝えたい投資法のエッセンスをまとめると、下記のようなものだと理解しています。
1:新高値株を探す。
2:探したもののうち経常利益・利益率・売上高の成長が見えるものをスクリーニングする。
3:それらの要素の成長が持続するかを判断する。
4:購入する。
5:ボックスを下抜けるまで所持する。
6:ボックスを下抜けたら売却(*)
(*)売却のところは、"下抜けたら"だけではなく「ボックス理論で損を減らす7つのルール」というところで細かく書かれています。
面白いと思ったのは、あまり時期に関する概念がないことですね。成長が続く限り、株価が上昇する限り所持すると。確かにそういう考え方もあると思います。私の考えとしては、最大でも3年以内をめどに、株価の上昇目安を推測(2年後にEPS○○円になっており、PER○○倍ぐらいであろう)したうえで、都度その予測を更新しながら、その予測に基づく株価の上昇スピードは一定以上あるかを意識しつつ"成長が続く限り、株価が上昇する限り所持する"というのがいいのではないかとも思っています。
その他、印象に残った点がいくつかありました。
「1銘柄当たりの買い付け総株数は、原則、1日当たり25日移動平均出来高の20%を上限とする。」という自分の売買ルールにつながっていきました 。
手持ちの三精テクノロジーズと太平洋興発については、暴落時に流動性の欠如により損切ができないのではないか、という懸念は抱いており、何か目安が欲しいと思っていたところなので、これは一つの考えとして参考になりました。
ちなみに現状の三精テクノロジーズと太平洋興発の持ち高は
三精テクノロジーズ:50日移動平均出来高:約51,000、所持数:18,300、率としては約36%
太平洋興発:50日移動平均出来高:約13,000、所持数:8,800、率としては約68%
手元のソフトだと50日移動平均が調べやすかったので、50日移動平均を使いました。25日も50日もたいしてかわらないでしょう。三精テクノロジーズは個人的にもかなり期待している銘柄なので「36%で許してくれー」って気持ちですが、太平洋興発はリスクを抱えすぎなようも気がします。あまり長く所持するつもりもないので、このままリスクを抱えようとは思いますが、これ以上の買い増しはさすがにできないとも思いました。
とにかく優先すべきなのは、退場を余儀なくされるほどの大損を、絶対に食らわないようにすることです。
損切の重要性はここでも。ミネルヴィニの本にも同様なことが書いてあり、モメンタム投資は(値動きが激しそうな分)、特にその意識が強いのかもしれません。
株式投資で儲けるための最大のコツは、最安値で買うことではなく、買った株を最短期間で、自分の買値を大幅に超える株価で売ることです。
これも、ミネルヴィニと同様の指摘。バリュー投資家との違いはここが本当に大きいと思っています。
投資対象となる銘柄数は、最大で5銘柄です。
記憶違いかもしれませんが、確かZeppyの井村俊哉さんや五月さんも銘柄は3-5に絞ったほうがいいのでは?的なことをおっしゃっていたような気がします。ある程度絞らないと、爆発的な成長をした企業を当てられたときに資産が伸びないと。
私としても最大6かなという気はしています。別に5でもいいとは思うのですが、たとえば流動性の低い太平洋興発とかはこれ以上増やせないし、比較的リスクの高い(どこで大暴落するかわからない)ベルトラもこれ以上増やすのは躊躇してしまいます。そうすると銘柄数を減らせば減らすほど他の銘柄の資産に占める割合は増えていきます。集中投資する銘柄の所持割合を高めることは必要だと思いますが、高めすぎるのもあまりよくないと思っており、最大でも資産の1/3までかな、と。そう考えると1/3のさらに半分の6が心地よいと感じています。
5がOKで6が直ちにダメってわけでもないと思うので、自分が心地いいと思っている6でしばらくはやっていくつもりです。
自分の取った行動が正しいかどうかをみるために、試し玉を投入するのです。試し玉が、含み益にならない限り、追加買いをしてはいけません。
買いたいと思った銘柄があったとして、1/5ずつ資金を投入せよと言っています。そして含み益が出ていない時点では追加投入してはならないと。考え方としては理解できますが、ファンダ投資的側面だと(投資理由の前提が変わらないとして)値段が安ければ追加買いが正しい面もあるので、リスクリターンのバランスはどちらがいいのか悩むところです。
ただ、私の場合は衝動買いが多い面はあるので、そこは注意しなければいけないのだろうと思います。
また、市場全体の動きをみるものとして、ディストリビューション日、ストーリング、フォロースルーというオニールが提唱した概念が紹介されています。基本的にテクニカル分析が頭に入ってこない私には理解しがたい概念ではあります。↓のブログにも詳しく書いてありますが、「うーん?」というのが本音。
日経平均調べたらたまたま現在はそうとう危なそうな状況です。では、ここから手放すべきなのでしょうか…
損切の徹底をしていればそれでいいのでは?という気持ちもあります。オニールの書籍を読むことと、このディストリビューション日をしばらくモニターしてみて体で感覚を覚えることにしたいと思います。
いろいろ書いてきましたが、総じてみて、ミネルヴィニの本をわかりやすくかみ砕いてくれた感じで大変勉強になりました。