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7362 T.S.I

===2022年9月11日===

22年12月期2Q決算

 

基本順調に進んでいる感じ。変動の大きい不動産売却も予定どおりとなりそうです。

23年12月期の売り上げは48億円、経常利益2億9千万円、純利益2億円、この時のEPSは134.2円との前回の予想を維持します。

PERはやはり客観的にみると中央値の20が妥当か。業界として低PERでもあるし、伸びを勘案してもこれぐらいかもという気もします。

 

この株、安定して伸びる未来しか見えなくて、10年間の保有を前提に考えるならば、真っ先に考えたいような株なのですけど、短期的に急上昇するかというとそうでもなく、流動性の低さもあって、なんとも気持ちと理論の乖離の大きな株です。

 

===2022年5月17日===

22年12月期1Q決算

 

不動産事業のブレが大きいので見た目は悪いですが、介護事業セグメントはしっかり伸びており実質的には順調な決算のように思います。

 

入居率に関しては優秀で競争力があるように思います。

 

23年12月期の売り上げは48億円、経常利益2億9千万円、純利益2億円、この時のEPSは134.2円との前回の予想を維持します。PERは25倍で。

 

===2022年5月4日===

21年3月に上場。サービス付き高齢者向け住宅の運営・介護を行っている会社。

ビジネスモデルの特徴として、グループ会社に北山住宅販売という設計?会社を持っているようで建物の設計・建築も自社で行うところが挙げられます。

また、不動産自体はオーナーが所有してそれを25年間借り上げるという形をとっているとのこと、個人オーナーはこれにより減税メリットを得られるらしいです。住宅部分だけ見るならば一種のフランチャイズともいえるでしょうか。

 

SMBCがまとめたサ高住のビジネスモデルですが、ここに出てくる建築請負業者・介護事業者・一括借上げ業者のすべてを1社で行えるのが強みでしょうか、それが本当に強みなのかは謎ですが…

当社いわく、自社建築を使うことにより、家の構造が同様になって効率化が図れるとありますが、本当にそれが競争力になるかは謎です。

https://www.smbc.co.jp/hojin/report/investigationlecture/resources/pdf/3_00_CRSDReport092.pdf

 

 

介護業界の怖さとして、国の定める介護報酬基準によって大きく業績が左右される面がありますが、この会社は生活支援と家賃収入が存在する様子。賃貸マンションビジネスを行っているとも言えます。

業界のパイが増えていく(需要が増えていく)のは間違いないかと、特に若手が少ない地方のほうが需要は高いかもしれません。私自身も、今後親と同居して介護をするか?といわれると、多少お金を払ってもこういったサ高住に面倒を見てもらうほうがありがたいという気持ちはあります。

共働き世代が介護問題に直面するにつれ、こういった施設の需要はどんどん上がっていくでしょう。

介護施設もいろいろとありますが、サ高住も一定の需要はあるように思います。ある程度健康ならば全然ありな気がします。もちろん特養や養護老人ホームのほうが金銭的にはいいのでしょうが、税負担の問題からそこまで増やせない事情もある?

ただ、増加速度は若干ゆっくりになっている様子?最後の3つの軸は期間が違うことには注意が必要です。

サービス付き高齢者向け住宅の最新動向(2022年3月) | 高齢者住宅ジャーナル | 高齢者住宅協会

似たような施設がいっぱいあってよくわからないのですが(実際、有料老人ホームとサ高住は最近はあまり差がなくなってきているらしい)、やはりサ高住は増加が若干緩やかになっているような印象もうけます。

リスクに関しては以下のSMBCによる分析がまとまっているように思います。需要が増えたとしてもそれ以上に供給が増えたら競争が激しくなってうまくいかないのは世の常。この業界は比較的参入障壁も高くないのでは?とも思っています。ただ、一方で急激に成長するのも人材の面から難しい?ちょっとわからないです。

当社が言っているので差し引いて考える必要はありますが、今のところバッティングは少ない模様。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/7362/ir_material_for_fiscal_ym1/115684/00.pdf

ここまで業界を見てきましたが、ここからは当社の業績分析になります。

順調に売り上げを伸ばしていますが、実は介護事業セグメントは利益は下がっているという傾向があります。これは二つの理由があると考えており、一個がコロナ対策費用の増加(含む人件費)、もう一点が新規施設開設した場合1-2年程度は入居率を増やす時期になるので、その間利益は下振れる傾向にあるということです。

21年12月期の不動産事業がふくらんでいるのは、自社開発の施設を別のオーナーに売却したため。22年12月期も2施設を売る予定らしいので同等の利益は出る可能性はありますが、期によってでたりでなかったりするものだと理解しているので業績がぶれる要素にはなりそうです。

居室の稼働率は97%程度と非常に高く、他社も含めた全国的には90%程度が普通のようなので、そういう意味では上々のようです。ここら辺はマーケティングのうまさがあるのかもしれません。

 

だいぶ先だなという気はしますが、31年12月期には150拠点とする予定だそうです。だいたい年19%。PERとしては25倍ぐらいが目安でしょうか。

 

老人ホーム業界で大手といえばセントケアホールディングスが挙げられますが、ここも順調に売り上げ、利益を積み増しているもののPERは現時点で10.4倍、成長している企業にしては安すぎますが、同業他社をしらべても、ある程度成長すると10-15倍ぐらいのPERを付けることが多い様子です。

一方でT.S.IのPERは19倍、成長している企業としてはやや低めといったところですが、業界のPERの低さを考えると、それなりの値とみることもできます。

 

ちょっと先を見て、23年12月期を予想したいと思いますが、このペースで成長したとして、23年12月期の売り上げは48億円、経常利益2億9千万円、純利益2億程度でしょうか。規模が小さいので不動産セグメント次第で業績は荒れそうです。


この時のEPSは134.2円、PERは25倍ぐらいはつけても罰は当たらない気はするのですが…過去の中央値や平均値を見るとやはり20倍程度が正当なことに…ただ、長期で持っていたら第3四分位の28倍をとることもあるか?

時価総額が小さくて流動性に欠けるところも考慮に入れると、細かく損切りするのではなく、一定金額を突っ込んで成長シナリオが崩れるまでホールドというのも一案な気もしますが、どう考えるべきか悩んでいます。

開示している資料は見やすくて好感できますし、理念に関しても共感できるのですが、創業社長の北山家で株数の50%以上占めているところも地味にリスクですね…

年間20%の成長を5年とかにわたって続けられるポテンシャルはあるとは思うのですが、足元だけ見るとそこまで上昇余地がなくて、何とも評価の難しい、、、

色々とリスクが高い割には、短期的には爆発的な成長もみこめずリターンは限定されているというなんともしょっぱい分析結果に…